吹き抜け天井からのやわらかな陽射しがさしこむLDKに、ゆるやかなジャズのメロディーが回遊する。スキップフロアやリビング階段の取り入れ方など、パッと見ただけでは新築と変わらないデザイン性を持つOさんの住まいは、実は築26年になる戸建だ。
「もともと父が建てた実家で、リノベーション前は母がひとりで住んでいました。こちらに戻ることになったのを機に新築も考えましたが、愛着のある家をすべて取り壊すのはしのびない。エコワークスさんの家をみて、その明るさと木の家の雰囲気に惹かれ、この会社ならリノベーションで家を生まれ変わらせてくれるのではと思い、依頼をしました」。
リノベーションは基礎の調査からスタート。11年前の福岡県西方沖地震の影響もあり、基礎はひび割れ、家全体が傾いていたことが判明。水廻りや玄関の床下には湿気が溜まり、白アリ被害も認められた。
「リノベーションでは地震に強い家にするため、柱や筋違を耐震金物で徹底補強。高性能断熱材や高性能窓を入れるなどして家の保温性を高めるところから始まりました」とご夫婦。リノベーションにふみきったからこそ改めて家の危機的状況が分かり、これを回避できた。土台が盤石な安心感。O邸の可能性はここから広がっていったのだ。
大切なものは残しリノベーションでより楽しく
家を支えるために必要な柱だけを残したO邸は、一から間取りの設計に着手。以前は間取りが細かく区切られていて暗く、使いづらかった家を、明るく機能的に生まれ変わらせることが課題だった。
「設計士さんが提案してくださった間取り図をもとに、自分たちで、模型をつくり、実際の家の感覚をつかみながら検討を重ねました。完成したときはほとんどイメージ通りです」とご夫婦。
もっとも変わったのは、暮らしの楽しみが広がりそうな明るいLDKだ。まず、ほとんど使われていなかった1階の和室をリビングスペースとひとつなぎに。2階の1室を吹き抜け天井に変更。高窓からやさしい光がそそぐ、家族が集まるリビングに。さらに、空間の有効利用を考えて、階段の位置を変更。暗く急だった階段の問題も解決された。
帰宅時に感じる木の香り 暖かく清潔な空間に満足
リノベーションを経て、室内環境は快適に。以前は冷たくてスリッパが欠かせなかったという床は蓄熱性のあるヒノキに変わり、冬でも裸足で過ごせるようになったという。
「帰ってきたときに木の香りがするんです。どの部屋にいても、空気が澄んでいて清潔感があり、のびのびと過ごせる。わが家は猫を飼っていますが、イヤな臭いがしなくなったのには驚きました」。同居なさっているお母様も「以前はヒートショックに気をつけて着込んでいましたが、今は家中どこでもあたたかいので、その心配がなくなりました」と笑顔だ。
「エコワークスさんはオーナーに対しての心くばりが行き届いている会社。きめ細やかな対応で、私たちの不安を解消してくれました」と、あらためて振り返るご夫婦。「いい家になったので、これからは急がずゆっくりと、庭や家の手入れを楽しみたいですね」。
リノベーション後、おふたりは自分たちで庭を整え、花壇や畑をつくった。愛情をこめて育てる花々は、もうすぐ見頃を迎える。