皆様、「1間」(いっけん)の長さってご存知ですか?
家の間取りを測りに行くと、幾度かここの寸法どうなってるの?ということが
度々あります。
同じ家で柱と柱の間の寸法が場所によって違うのです。
実はこれに戦国武将が関わっていたことをご存知ですか。
そもそも平安時代の1間の長さは約212cm~242cmだったそうです。
後に『織田信長』が年貢を取り立てる土地の基準として、1間を6尺5寸(約197cm)として
「検地」を行い、これが建物寸法の基準ともなりました。
いまだに正式なお茶室の寸法はこれが基準となります。
次の『豊臣秀吉』の時代では、より年貢を取る為、1間が6尺3寸(約195cm)としました。
2%の増収です。
ただ建物寸法には反映されませんでした。
そして『徳川家康』になると関東の江戸の街づくりで、1間が6尺(約182cm)となりました。
なんと秀吉の時からすると14%の増収です。
因みにこれが今の建物寸法の主流となっています。
「1間」の呼び名も最初の京間(関西間)から江戸間(関東間)、中京間、九州間(本間)とあり
また別に四国間、中間間もあり寸法もまちまちです。
他にメータ間(200cm)メーターモジュールというのもあります。
この様な寸法が混在するのも大工さんやメーカーの思考の違いによるものかと思います。
検地(年貢)に始まった将軍の欲の伝統が、現代に繋がっているとは面白いと思いませんか。